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繋ぐ…

10月1日に新潟の三条と与板の鍛冶屋さんを訪問しました。

目的は南京鉋の鉋刃に使用している田斎のみ製作所さんと小森小鉋製作所さんにお話しを伺い、より知識を深めるためです

まずは鑿鍛冶の田齋さんのもとへ

当工房で注文している田齋さんの鉋刃は青紙2号という鋼材です。

大工道具に使われている鋼材は2号より高性能な青紙1号を使う事が多いと想っていたのですが…

田斎さんの2号は何かが違う…砥ぎやすいしとても永切れするんです…今回その秘密を教えていただきました。

 

田斎さんで取り寄せている青紙2号は特殊な物で性能的には青紙1号に近く、なおかつ砥ぎやすい…

2号といっていますが厳密にいうと1号と2号の間らしいです…加えて田斎さんの高度な技術がプラスされ極上の切れ味が発揮されます。

本職は鑿鍛冶ですが他にも鉋、小刀、玄翁 など…ほかの道具鍛冶の方のもとへ勉強に行っているんだとか…

工房には刃物のショーケースがあり、ほぼなんでも揃ってました(写真、小刀ばかりですいません…)

 

続いて以前からお世話になっている平出商店さんに

大工道具をマイクロバスに詰め込んで全国を行商しておられますが実店舗も構えています

突如、謎のイギリス人が訪ねて来て「サヤノミ、サヤノミ」とつぶやいていました

自分はわけがわからずポカンとしていると

平出さんが「コレね」と何やら取り出してきました。

「サヤノミ」→「鞘鑿」 包丁の鞘をつくる専門の鑿だそうです(そんなのあるんですね汗)

このイギリスの方は包丁や刃物のバイヤー(?)らしく他にも鋼材の種類や砥石の名前だけで会話が成立してました

昼食を挟んで午後から平出さんの案内で小森小鉋製作所さんに

小森さんの工房は商店街を少し入っていった自宅に隣接されています。看板も無いので誰かの案内無しだと絶対にたどり着けない…

工房でまず目に入ったのが巨大な鉄のホイール

裏透きをとるための機械なのですがホイールのサイズはたくさんあり刃物の種類によって使い分けます

裏透きは片刃の刃物に欠かせない構造です、因みにうちの全鋼シリーズは裏出し不要刃を採用しています。

裏出しの手間が省けるのですが…デメリットもありまして…(その話は後ほど…)

小森さんはいろいろな道具屋さん小鉋をつくっておられるので刻印の数も半端ありません…

 

1日の弾丸ツアーでしたが鍛冶屋さん達と直接お話ができたのはエンドユーザーの方に打ち刃物の魅力を伝えられることと思います。

田斎さん、小森さん そして仲介してくれた平出さん、ありがとうございました。